約50年前、金剛生駒国定公園内の山を切り拓き、南星台として宅地造成を行った。その名残りで山を削り、崖面にコンクリートを吹き付けて放置していたが、長年の経時劣化で、コンクリートにひび割れ、剥がれが生じ、防災上危険な地域に指定されていた。 今回、交野市は、このがけを切り取り、その大量の土砂を近くの全現堂池(ぜんげんどういけ)に運び池を埋める大工事を決定した。 土砂の量は、10トンダンプ;4000杯分と聞いた。 一日の最大運搬回数は50回だそうだ。すると、80日かかることになる。本格的に搬出が始まったのは10月からなので、今年年内には、相当作業が進むと思われる。 土砂搬出ルート(下図の黄線ルート) 運搬距離1.5Km ![]() 参考資料; 星田の全現堂池。完全に水抜けてる。謎の足跡もあって干潟みたい - 交野タイムズ (katano-times.com) ![]() ![]() 全現堂池 現在は右写真のように干上がっている。 “現場のBefore&Afterの記録を残そう” ①自然環境(風向、風の強さ、湿気、気温、日差しなど)がどう変わるか? ②工事期間中の騒音や交通渋滞、安全などの課題と対策は? ③完成後の姿はどうなったか! 工事の経過、その記録として残したいと思い、この特設ページを開設した。 6月1日
7月9日
7月21日
7月26日
9月5日
9月17日
10月17日 埋立地;全現堂池の埋め立て状況 ダンプカーが通る地盤に鉄板を敷き、池の面積の約1/10ほど埋め立てられた。 ダンプカーが土砂を運び、荷台を立てて、土砂を下ろすだけでなく、その土砂をユンボで均して、ローラで固めて 次々と埋め立てを進めている。丁寧な作業が続いている。 ![]() 10月6日 工事の完成予想図看板が設置された。 ![]() 山が次第に削られて低くなっている。(我が家の2階の窓から) ![]() 10月17日 全現堂池の埋め立て状況、池の約半分まで土砂が搬入された。 池の奥から、土砂の搬入場所の方を見る ![]() 全現堂池の排水溝付近から、土砂搬入場所の方を見る ![]() 池の一番奥、堤防付近 アマチュア無線のタワーが建っている ![]() 山の土砂に加えて、砂利を敷き詰めて、排水対策?をしながら埋め立てが進む 大変、丁寧に作業が行われている ![]() 10月15日 大型ユンボが3台並んで、土砂を左から右へ受け渡ししている。まさにユンボの3重連だ!! 右のユンボは、ダンプカーに積み込み作業をする。 ![]() 11月18日 11月に入ってから、ブルドーザーが登場した。これで一気に作業が進みだした。 ユンボ(パワーショベル)は全て日立重機だが、ブルドーザーはCATだ。ブルドーザーのキャタピラーのキャラキャラキャラという金属音がやかましい。しかも、ブルドーザーは動き回るので、ユンボとは性格が違う。力強く一度に大量の土砂を削り、押しながら進む。平坦な土地を削るのは圧倒的にブルドーザーに軍配が上がる。ユンボは、余り移動しないで、留まって首を振って、土砂を掬い取り、ダンプに積み込んだりするのは得意だ。また、山の急斜面を登って、道を切り拓いたりできる。アームとショベルをうまく使って、どんな場所にも移動できる強みがある。この二種類の重機を組み合わせて、効率よく作業を進めている。 ![]() ![]() CATのカタログより;使用機種;D5 ブレード(押し板)の幅は3m、高さは1.3mとなっている。 このステージは角度が変えられる。エンジン;7000cc、ジーゼルエンジンで170馬力(126KW) 11月21日 ブルドーザーの登場で、あっという間に作業が進みだした。 平らに近づいた山の姿 ![]() 2025年1月20日(月) 1月も下旬に入り、大寒なのに、今年も暖冬のようで、今日は日中の外気温は15℃もあった。とんでもない季節外れの気温だ。 年末も、崖の切り崩し工事は順調に進み、土砂の搬出も予定どおりのようだ。全現堂池は殆ど前面に土砂が敷き詰められ、かさ上げが進んでいる。もう少しで、池だった凹んだ面が道路と平面になる。池は地盤が軟弱なため、埋め立て工事は慎重に地面を固めながら進めている。これならすぐ家を建てても沈下しないだろう。 下の写真が昨日(1/19)現在の山の様子。 ![]() 下の写真の青いラインが完成時のグランドレベルになると想像している。 未だ土砂を削り取る工事が続きそうだ。 ![]() 自宅2階から工事現場を見る。 大型のユンボが3台、ブルドーザーが一台稼働中。 ![]() 山の土砂は、砂の塊のような土質で、⛏ツルハシでは、歯が立たない。一度掘ると粉々になる。風が強い日は、土砂が砂ぼこりとなって飛んでくる。70m程離れているが、窓を閉め忘れると大変なことになる。大分、山が低くなり、工事も大詰めに近づいてきた。一部、排水溝の設置も始まっている。 1月23日(木) 工事は順調に進んでいます。一段と低くなりました。 この2,3日は暖かい日が続き、作業が捗っているようです。 ![]() 2月7日(金) やっと、最終の姿が見え始めた。 余った土砂は、ピラミッドのように積み上げています。どこか別の場所に運び出しているようです。 全現堂池の埋め立ては終了したようです。 全現堂池の現状 ![]() すっかり埋め立てられた全現堂池、広いグラウンドのように変わった。 約10000㎡(約3000坪)の住宅地に変わった。これから敷地の整備が始まるだろう。 聞くところでは、約60軒余りの戸建住宅になる。 ![]() 未だ重機は置いたままになっている。池は排水溝を除いてフラットになった。 余った土砂は高く積み上げられている。多分、周囲の排水溝工事が終われば埋め戻すためだろう。 ![]() 関係者以外立ち入り禁止になっている。ここからダンプが出入りしていた。 ガケ山工事の進捗状況 ![]() 我が家の2階からの山の景色(今朝) 仮置き場(ピラミッド)にユンボが3台稼働している。 山が削られて、平たん部が広がってきた。 ![]() ユンボから、工事場用ダンプカーに土砂を積み込み、仮置き場(ピラミッド)に運んでいる。 2月26日(水) ガケを削った斜面をユンボに大きな小手板を着けて、押さえつけ平らに均しています。削る位置、削りとる量、斜面の傾斜角などをGPSを受信して、ユンボのショベルをゆっくり動かし、図面どおりに工事を進めています。最近の土木工事の重機は大変進化しています。 エンジン音は低騒音型を使っていると聞きました。確かに、気にならない程度のエンジン音しか聞こえません。斜面の際(きわ)にU字溝を設置して雨水を流すようになっています。沢山のU字溝が積み上げられています。 ![]() ![]() 緑色の部分は階段です。 ![]() 掘り上げた土砂は工事現場用特殊ダンプトラックでピラミッドに運んで積み上げています。 太い大きなタイヤを履いて、4輪駆動の特殊車両です。ユンボのショベルに一杯の土砂を4杯分積んでいます。 ![]() 山(ピラミッド)の上まで運んで、ダンプ台を傾けて排出しています。 右隅には、10トンダンプカーに土砂を積み込んでいます。 全現堂池は埋め立てが終わり、余った土砂はどこかに運び出しています。 ![]() 3月26日(水) ガケ山の切り崩し工事も終盤に近づいた。この半年余り、オレンジ色の日立重機を見ながら過ごしてきた。 最近の重機の進化に改めて驚く。 エンジン音が静かな事、しなやかな動き、微妙な作業が思い通りでき、GPSを使った測位システムで図面どおりに削り、掘り、運び、積み込む作業が出来ること。 子供の頃、1953年(昭和28年)、和歌山県中部山間地に500mmから700mmと言われる雨が24時間で降り、有田川、日高川が大洪水で氾濫し堤防が破壊し田殿田んぼが土砂で埋め尽くされた大災害がありました。沢山の家が流され、何人も亡くなりました。小学校の同級生の女の子も流され亡くなりました。悲しい思い出です。その後に、土砂で埋まった田んぼの再生工事始まりました。その時、初めてブルドーダーとダンプカーを見ました。(自動車と言えば、ミカンを積む三輪自動車でした。) ブルドーザーは物凄い力強いエンジン音で、キャタピラーが軋む音を今も覚えています。運転者が肩の上に延びたレバーを左右に動かし、両手足を巧みに動かして、ステージ(押す板)を上下して、土砂を押して均していました。一台で30人以上の仕事ができると話を聞きました。戦時中、アメリカ軍は、南方の島を占領すると、ブルドーダーで滑走路をあっという間に造るという話も聞きました。子供の頃の強烈な記憶があります。今から70年ほど前の話です。 久しぶりに、工事現場にブルドーザーが一台姿を現して、ユンボと強調して作業をしていました。互いに得意作業があるようです。そのブルドーザーも作業が終了したらしく、いつの間にか搬出され見なくなりました。 後にユンボだけが残りました。一応、山の切り崩し作業は概ね終わったようです。 ここは、南星台バスロータリです。以前から京阪バスが運行していましたが、住民の高齢化で乗車する人が減り、3月末に運行が中止になりました。代わりに、交野市役所の計らいで「おりひめバス」の運行が始まりました。碧空をイメージしたバスが走っています。住民の要望で市側がバスの運行を決めたのですが、相変わらず乗る人はまばらで少ないです。バスがないと困る人は沢山いるのですが、毎日乗るわけではありませんので、ガラガラの状態で走っています。それが気になっていました。 この件に関しては、交野市が配慮して頂き、後期高齢者にバスのチケットを無料配布してくれています。乗る人の人数が少ないので、大型バスから小型バスに変えるということになったようです。これは大型バスは不要だということもありますが、大型2種免許を持った運転者が大阪万博関係のバス運行に充てられて、人手不足と聞いています。小型バスなら普通自動車2種で運転可能ですので、近々、小型バスに入れ替えるようです。 今回の市側の対応は大変よくやってくれたという感じがします。 ![]() 南星台バスロータリーを出発する「おりひめ号」 交野市方面行き ![]() 重機が最後の仕上げ工事をしています。 ![]() ロータリへ向かう斜面もきれいに整地されました。排水溝も見えます。 ![]() 我が家の2階からの眺望です。東方向の遮るものが無くなりすっきり明るくなりました。 4月26日(土) 大型オレンジ色のユンボ(日立重機)が全て搬出され、工事現場に残っているユンボは中型、小型重機になりました。切り崩し工事は無事に完了です。残る作業は排水溝の設置工事、斜面の崩れ防止網の設置、取付道路の設置などの付帯作業や周囲の後片付けです。 ![]() すっかり平らになったガケ山の姿。山に生えた竹藪、竹が目立ちます。(竹の高さが20mぐらい) これを伐採しないと、今一の光景です。 ![]() 完成間近 ![]() 金網張り工事 ![]() 命綱で支えながら、金網を張っている ![]() 金網張り作業 芝生を植え付けるのかもしれない。この分だと、5月末で工事が完了するかも? |